アフターピルの正しい知識を子どもに伝えよう
こんにちは! READY BOXのブログ担当りかです。こちらのブログではお家でできる月経教育・性教育のコンテンツを発信していきます。今回のテーマは、「緊急避妊薬(アフターピル)」です。お子様の意図しない妊娠を避けるために、親が手助けできることについてお伝えしていきます。
アフターピルってなに?
まず初めに、緊急避妊薬(アフターピル)とはどういうものか、簡単にお伝えしていきます。
アフターピルとは、避妊を失敗した時や出来なかった時に服用することで、高い確率で避妊ができるお薬です。コンドームが破れてしまった、避妊をしないでセックスをした、性被害に遭ったときなど、妊娠を防ぐために使用できます。
<アフターピルの成分>
黄体ホルモンと呼ばれる女性ホルモンの一種が主な成分
<効果>
・排卵前に内服すると、排卵を止めたり排卵を遅らせたりすることができる
・排卵後に内服すると、精子と受精した卵子が子宮内膜に着床することを防ぐ
→このようにして、妊娠を防ぎます。
<いつ内服すればよい?>
アフターピルの最大の特徴は、セックスをしてから内服するまでに「時間制限」があるということです。いつ内服するかによって、妊娠を避けることができる確率も下記のように変わります。
・セックスから24時間以内に内服した場合:95%
・セックスから25〜48時間以内に内服した場合:85%
・セックスから49〜72時間以内に内服した場合:58%
<どこで手に入る?>
医療機関(主に産婦人科)で、処方してもらえます。最近はオンラインで診察・処方をしてくれる病院もあります。
※こちらのサイトから、アフターピルを処方してくれる近くの病院を検索することが可能です。
日本家族計画協会 緊急避妊薬・低用量ピル処方施設検索
<金額>
1錠 約6000円〜2万円
アフターピルの正しい知識を子どもに伝えよう
アフターピルが日本で承認されたのは、2011年。知っている人も増えてきましたが、中には大人でも「どこで処方されるのか」「いつ内服すればよいか」などを知らないという人も少なくありません。
まずは、お子様が万が一避妊ができなかった場合に備えて、アフターピルの存在やどこで処方してもらえるのかなどを親子で話してみるのが一番良いかと思います。
子どもとそのようなテーマは話しづらいという方は、性に関してや避妊について書かれている本を渡してみるのも良いでしょう。
また、お子様にアフターピルについて教える際に「何かあったら、いつでも相談してね」と、絶対的な味方であることを一緒に伝えてあげてください。
というのも、子ども達の中には、「妊娠した(させてしまった)かもしれないけど誰にも言い出せない」と一人で抱え込んでしまい、アフターピルを内服するのが遅れてしまうという子も少なくないからです。
安心して相談できる場所を作ることは、いとしない妊娠を防ぐことに繋がるかと思います。
そして、お子様がアフターピルを使用することになった時も、絶対に責めないであげてください。
避妊に失敗した場合には正しい避妊方法を、望まないかたちでの性行為などによる服用の場合はパートナーシップの在り方を、一緒に話し合うきっかけになるといいですね。
海外と日本でこんなに違う?「アフターピル」を取り巻く現状
最後に、日本と海外のアフターピルを取り巻く現状の違いについてご紹介します。アフターピルについて、お子様と話すきっかけになりましたら幸いです。
<日本>
・アフターピルを手に入れるには医師の処方が必要
・金額も高価
・「アフターピルは緊急時に飲むもの」にも関わらず、入手するハードルが高く簡単に手に入れることができないと問題になっている
・現在、厚生労働省で医師の処方なしに薬局で購入できるようにするべきかの議論が進められている
<海外>
・90カ国以上で医師の処方なしに薬局でアフターピルを購入することが可能
(例1)フランス
街中の薬局で約550円でアフターピルが売られており、未成年の場合は学校や薬局で無償で提供してもらえる
(例2)イギリス
処方箋があればアフターピルも含め避妊薬は全て無料
まとめ
正しい知識をもつことは、自分で自分の身体を守ることに繋がります。それは、自分自身が生きたいと思う人生を作ることができる選択肢になるのです。万が一に備えて、お子様と避妊やアフターピルについて一度話し合ってみてくださいね。
<参考>
アクロストン (2020) .『思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになってるなんて! 』. 株式会社主婦の友社
FNNプライムオンライン."処方箋なしで薬局で購入可能…緊急避妊薬からみるフランスの性教育と性意識"