絵本紹介『Red(レッド)〜あかくてあおいクレヨンのはなし〜』

こんにちは。READY BOXのブログ担当yukiです。こちらのブログではお家でできる月経教育・性教育のコンテンツを発信していきます。今回はおすすめ絵本『Red(レッド)〜あかくてあおいクレヨンのはなし〜』のご紹介です。

『Red(レッド)〜あかくてあおいクレヨンのはなし〜』ってどんな絵本?

Red(レッド)〜あかくてあおいクレヨンのはなし〜マイケル・ホール (著), 上田 勢子 (翻訳)

本当は青い色のクレヨンなのに、「レッド(赤)」というラベルをはられてしまった「レッド」。赤く塗ろうとしても本当は青色なのでうまくいきません。先生は「もっと練習すればできるようになる」といい、クレヨンのお友達や家族たちは「努力が足りない」「時間が経てば、、」などと口々に言いますが、一向に赤く塗るのが得意にはなりませんでした。

そんなある日新しいお友達がやってきます。さて、レッドはどんな風に変化するのでしょうか。

『Red(レッド)〜あかくてあおいクレヨンのはなし〜』はどんなことを教えてくれる?

この絵本は人やものを外見で判断することの危険性や、得意なものと不得意なものが誰にでもあることなど、たくさんのことを教えてくれます。まずは、本書に同封されている「なぜわたしがこの絵本をつくったか」のチラシより、作者の言葉をご紹介します。

赤いラベルを貼られた「レッド」はどれだけうまく赤いものを描けるかということで、自分の能力を決めていました。周りの人たちは、助けようとしてできる限りのことをしました。でも、誰もラベルの向こう側を見ることができません。そのせいで、みんなの言動は状況を悪くさせるだけでした。

ー「なぜわたしがこの絵本をつくたか」より抜粋


ここにあるように、外界からの「ラベリング」はその人自身(作者の言葉を借りると「向こう側」)を見ることを難しくします。

例えばこんな言葉をかけられた経験はないでしょうか?「女の子だから、男の子だから」「ママなんだから、大黒柱なんだから」「一人っ子だから、長男だから」「独り身だから、既婚者だから」

この世界にはまだまだたくさんのラベリングが存在しています。子供も大人も、そんなたくさんのラベルをつけられて、それによってジャッジされることも少なくないはずです。

ですが、本当にその人自身をピュアな視点で見ると、どんなラベルが貼ってあっても「その人である」ということに違いはなく、その人らしさがあるはずです。外から勝手に貼り付けられたラベルではなく、その人自身を知る努力を、大人になってもしていきたいものです。

『Red(レッド)〜あかくてあおいクレヨンのはなし』おすすめの読み方

この絵本は年齢によっては上記のような背景まで理解することは難しい場合もあります。そんな時は無理に背景を理解させようとするのではなく、ストーリーを聞いて感じる純粋な違和感や、レッドの気持ちになって感じたことなどを言語化できるといいですね。

小学校中学年以降のお子さんであれば、背景を説明したり、実際の日常生活で似たような経験がないか?などを聞いてみるのも良いかと思います。その他にも親子で対話を広げられる問いをいくつかご紹介します。


<対話を広げるヒントになる質問>

・どうしてレッドは「青色が描ける」ではなく「赤く描けない」と思ってしまったのだろう?

・どうしてレッドのお友達は「努力が足りない」と言ったんだろう?

・パープルはどうしてレッドに声かけができたんだろう?


いかがでしたでしょうか? お子様向けの絵本ではありますが、本書のように大人も考えさせられる絵本がまだまだたくさんあります。これをきっかけに、親子で対話ができるといいですね。

本日のブログが、親御様にとって少しでもお役に立てれば幸いです。