【絵本紹介】様々な家族のかたちについて学べる『いろいろいろんなかぞくのほん』

こんにちは。READY BOXのブログ担当yukiです。こちらのブログではお家でできる月経教育・性教育のコンテンツを発信していきます。今回は、ご家庭での性教育に活用いただけるおすすめ絵本のご紹介です。

「家族のこと」って性教育に含まれるの?

まず、今回のタイトルにもある「家族のかたち」について。「性教育」と聞くと性行為、避妊、妊娠などのトピックをイメージしがちですが、実はそれは性教育のほんの一部。家族、友達といった人間関係や、そこから派生する関係性、意思決定、価値観など実はとても幅広いのです。ユネスコが発行する「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」には、下記の図のように8つのトピックが含まれています。READYBOXでもこれらすべてを性教育と捉え、BOXの開発や講演会を行っています。


『いろいろいろんなかぞくのほん』は、どんな絵本?

今回ご紹介する本はこちらの絵本。

いろいろいろんなかぞくのほん

『いろいろいろんなかぞくのほん』メアリ ホフマン  (著), ロス アスクィス (イラスト), 杉本 詠美 (翻訳)

この絵本は、「かぞくのかたち」「ふくそう」「たべもの」「がっこう」「しごと」などの様々なトピックに対して、どんな家族のかたちがあるのか、たくさんの絵で学ぶことができます。例えば「たべもの」だとカラフルなイラストにこのような文章が添えられています。


おとうさんや おかあさんが りょうりずきな かぞくも ある

できた ものを かって たべる ことが おおい かぞくも ある

じぶんたちで そだてる かぞくも ある


普段何気なくお子様に読み聞かせている絵本には、ママとパパが仲良く暮らしていて、ママがお料理・パパはお仕事・子供は幼稚園、といった構図がよく登場しますよね。ですが、この絵本ではそのような「いわゆる」当たり前とされる構図は登場せず、あくまで様々なあり方が前提になっています。

人種が違う家族もいれば、養子・里子も登場します。もちろんパパが一人やママが一人の家庭、両親がどちらもいない家庭、ママが2人の家庭、パパが2人の家庭も描かれています。

上記の「たべもの」に関しても、「家の中で誰かが作るのが当たり前」という固定概念にしばられず、出来合いのものを買うことも、逆に自分たちで一から作る家族がいることも並列して記載されています。


『いろいろいろんなかぞくのほん』のおすすめの読み方

 

このように多様な家族のあり方が描かれる本書は、お子様とどのように読み進めるのがいいのでしょうか。READYBOXがおすすめの読み方をお子様の年齢に合わせてご紹介します!

・まだ文字が読めないお子様

まだ文字が読めないお子様には、読み聞かせが基本かと思います。読み聞かせする際には、ただ文章を読むのではなく、「〇〇ちゃんは、ここに出てくる家族のどれと一緒?」「お友達の〇〇くんのお家はこれかな?」「学校に行かない子もいるんだって」など、自分の家族のかたちがあくまで平均ではなく、身近なところで様々なかたちがあることを伝えるのも学習の第一歩です。他にもすべてのページを網羅する必要はないので、「たべもの」「やすみのひ」など想像しやすいトピックのページだけじっくり読んだり、絵を眺めるのもおすすめです。

・自分で読むことができるお子様

自分で読めるお子様にはまず自分で読んでもらった上で、「見たことがない家族のかたちはあった?」「〇〇くんは将来どんな家族のかたちがいい?」など自分のもっている知識以外の部分にも、想像を膨らませられるような問いかけができると良いですね。「養子ってどんなの?」「パパが2人いるってどういうこと?」など疑問を持った場合には、もっと詳しい絵本や本、ネットで調べるよう促すことで、どんどん知識や世界が広がっていきます。


いかがでしたでしょうか? まだまだ外部との関わりの少ない幼少期は、自分の家族やその周辺の母集団だけを見て「これが普通」と考えてしまいます。ですが、そんな時期だからこそ、自分の周りにいる人以外にも多様なあり方や選択肢があることを伝えられると、今後の性教育の基礎も学びやすくなるのではないでしょうか。

本日のブログが、親御さまにとって少しでもお役に立てれば幸いです。