【クリスマスBOX限定企画】吸水ショーツHogaraさんインタビュー
今回のクリスマスBOXに参画いただいた、オーガニックコットンの吸水ショーツブランド「Hogara(ほがら)」。こちらの商品の企画〜開発のすべてに携わっているのが豊島株式会社に所属する4名の社員の皆様。部署も年齢も全く異なる4名が、強い想いで作り上げたHogaraについてお話を伺ってきました。(インタビュアー:三上)
ーまずはHogara設立時の想いについて教えてください。
Oさん:設立時というより今でも大切にしている想いが「私たちが本当にほしいものを作り手側の責任を感じながら形にする」ということです。
私たちは普段、「お客様がほしいもの」を形にするお仕事ですが、このHogaraは働く女性の私たちが、個人的に本当にほしいと思えるものを責任を持って作ろう、という部分にこだわって作っています。
ー「作り手側の責任」というのは具体的にはどのようなことでしょうか。
Oさん:正直に言うと、環境のことを考えると洋服って作らないのが究極のサステナブルだと思うんです。でも、もちろんまったく作らない、というわけではないので、作るのであれば環境のこともとことんこだわり、そして消費者としての私たちが本当に欲しいものを作りたい、というイメージです。
ーなるほど。では皆様はもともとサステナビリティーについて強い想いをお持ちだったのでしょうか。
Fさん:私は学生時代にカナダに留学をしていたんですが、その時に感じたのが自然への興味やものを大切にする気持ちです。その頃からサステナビリティーには興味がありました。また、両親が野菜を作っていたり、母が私のダンスの衣装を手作りしてくれていたりすることもあり、何かを作ること、特にお洋服に関わるお仕事をしたいと思っていました。
Aさん:私はサステナブルという言葉を知ったのも最近になってからなのでみんなよりは遅いと思うんです。もともとお洋服が好きで、昔はかわいいものをいかに安く買ってたくさんもっているかということばかり考えていたんです。
でも、歳を重ねるにつれて、いかにお気に入りのものを1着もつかというのが、結局は心の充実につながるんだってきづいたんですよね。もちろん安いからダメというわけではなく、値段に関わらずお気に入りのものはずっと大切にできますし、そういうモノとの付き合い方がいいなと思ったんです。そしてそういった行動は、今重要性が高まってきているサステナブル、という価値観にもつながってきているのかなと思います。
Oさん:私はもともとSDGsとかサステナブルの対極にいる人間でして。笑
それこそ本当に必要かどうか考えずに何枚もお洋服を持っていました。でも、3年前に結婚した旦那がミニマリストで、とても影響を受けたんです。限りある資源の中で「本当に自分が必要なものってなんなんだろう」とすごく考えるようになっていきました。その頃から自分ごとになっていたイメージです。
ー最近ではたくさんの吸水ショーツが販売されていますが、その中でもこのHogaraさんの吸水ショーツの特徴を教えてください。
Aさん:先ほどお伝えした「働く私たちが開発した」という当事者目線はもちろんですが、オーガニックコットンへのこだわり、カラフルな展開などもHogaraならではかと思います。実は豊島株式会社は、綿花の取り扱いが日本一多い企業なんです。だからこそオーガニックコットンにこだわることができますし、素材の会社だからこそ、吸水ショーツ全体にリピュール(※)という特殊な機能をつけることもできました。
ー「働く女性目線」というと具体的にはどのような部分にこだわられていますか?
Aさん:例えば、普段ナイロンやポリエステルの合成繊維ショーツで肌がかぶれてしまった経験などを生かして、オーガニックコットンを導入したり、肌ストレスになるクロッチ部分なども縫製にこだわっていたりしていますね。さらに梱包も、普通の袋ではなく、洗濯ネットになっていてそのままお洗濯に使っていただけるのもポイントです。他にも「当事者目線」として、下着って基本的にあまり外に干したりしないので、室内で干しても部屋干し臭を抑えられるようにしています。吸水ショーツはどうしても生地が厚く乾きづらいので、生乾きの嫌な匂いがしたりするんですよね。これも働く私たちが当事者として感じた気持ちを反映しています。このようにほしいものしか作らない、という部分にこだわりきれたのも、社内の長年の知見を生かし、企画から作成まで一貫して行うことができる体制があるからだと思います。みんなの意見をすぐに反映できるため、いつも仕事にスピード感があります。
ー今回READYBOXとコラボすることで届けたい想いについて教えてください。
Oさん:私はやっぱりこういう商品をもっと早く知っていればよかったと思っているんです。というのも、私が初潮を迎えた頃は当たり前のように親が使っていた紙ナプキンという選択肢しか知りませんでした。それ以外の選択肢があることも考えたこともなかったんです。社会人になってからは職業柄海外出張なども多く、7時間以上車で移動するということも頻繁にありました。そこに生理が被るとナプキンを変えづらかったり、そのためだけに車を止めてもらうわけにも行かず不快感をずっと感じたりしてきました。その頃はそれに対して変えようとか、どうしよう、とすら思わなかったんです。
なんなら、自分にとって当たり前すぎて、我慢とすら思ってなかったかもしれません。
だからこそ、若い子たちに新しい選択肢を増やしてあげたいと思うんです。そうすればその子たちが私たちの年代になった時に、働き方ももっと多様化していくんじゃないかって思うからです。。
Aさん:私が初めて生理がきた時は「恥ずかしい」が一番だったんですよね。袖のところにナプキンを隠してトイレに行ったり、男子の目を気にしたり。生理だけじゃなく胸が大きくなる、とかそういった成長も恥ずかしかったですし、女子の友達とも話せなかったんです。だからこそ、今の子たちに成長や変化を「恥ずかしいもの、汚いモノ」と思って欲しくない、マイナスのイメージが減って欲しいと思うんです。
そのためにも、初めて出会うサニタリー用品は、紙袋に包まれた無機質な感じよりも、今回のようなクリスマスBOXに入っていて、パカっと開く、きらびやかな思い出であって欲しいなって思いますね。第一印象が良いモノであれば、当時の自分も女の子同士で楽しんで「こういうの入ってるんだ〜」とか話せたと思います。
ー今回の開発を進める中で、社内の雰囲気も変わったとお伺いしました。具体的にはどんな変化があったのでしょうか。
Aさん:うちは商社で男性が多いのですが、男性と対等に生理の話ができるようになったのは大きな変化ですね。このショーツを作るまでは生理痛で痛くても我慢して出社したり、出張で生理が被っても「生理だから」という理由で途中で車を降りたりすることが難しかったんです。
でも吸水ショーツを作ってからは、むしろ男性側が積極的に生理について知ろうとしてくれているのを感じます。「生理ってそもそも5日もあったんだ」「2日目3日目が重いんだ」など、元々はコソコソ話す話題だったことも、今では対等に話すことができています。。
ー男性社員の変化を見て、何を感じられましたか。
Aさん:やっぱり小学生の頃とかから男女別で生理について学ぶじゃないですか。それもあって、男性社員とわたしたちで生理について知識が違うのも、当たり前だと思うんです。だから男の子と生理の話をしないし、家庭の中でも父や兄とも生理の話ってしたことなくて。だからこそこのBOXは、家庭内でパパやお兄ちゃんからあげてもいいなって思います。
会社という1つの社会を変えることができるとわかったからこそ、小さな社会である家庭でも変化が起きるといいなと思います。
ー今後の展望について教えてください。
Oさん:今は「私たちが欲しいもの」という視点でショーツやナイトブラなどを作っていますが、これからも社会は変化していくし、いくらでも欲しいものは変わっていくなって思うんです。だから可能性は本当に無限大だなと思っています。だからこそ、このブランドを知ってもらって、手にとってもらう機会を増やしていきたいと思います。
「わたしたち」はどちらかというと「女性」を指してるような感じがしますが、男性メンバーが入ってもいいし、多様な性を前提にしていきたいですね。
Fさん:今はまだ4名全員が兼務で業務をしていますが、将来的にはHogaraの部署ができるぐらい大きくなりたいとも思います。
※)Repur加工:着用中の汗のいやなにおいを軽減し、早いスピードで消臭します。また環境負荷も低く、人体への影響も少ない加工です。敏感肌の方にも使いやすいので、マスクやベビー服などにも使われます。